年末や年度末、季節商品の出荷時期など、毎年決まった時期に仕事が集中して「とにかく人が足りない」と感じていませんか。繁忙期の人手不足は、その場しのぎの残業や急な求人で乗り切ろうとすると、社員の負担が増えたり、ミスやクレームにつながったりしがちです。
この記事では、滋賀県・関西の中小企業の経営者やご担当者に向けて、繁忙期の人手不足対策として今から準備できる5つの方法と、外部の人材を活用するときのポイント、繁忙期前に確認したいチェックリストを分かりやすく解説します。
繁忙期の人手不足が中小企業で起こりやすい理由
繁忙期に人手が足りなくなる背景には、中小企業ならではの事情があります。まずは原因を整理しておくと、自社に合った対策を選びやすくなります。
- 少人数で業務を回している:1人が複数の業務を兼任しているため、仕事量が増えると余裕がなくなります
- 業務が特定の人に偏っている:「この作業はあの人しか分からない」という状態では、ほかの人が手伝えません
- 繁閑の差に合わせて人を増やしにくい:繁忙期に合わせて正社員を採用すると、閑散期に人が余ってしまいます
- 採用に時間がかかる:忙しくなってから求人を出しても、採用と教育が間に合わないことがあります
つまり、繁忙期の人手不足は「人の数」だけの問題ではなく、業務の進め方や体制づくりの問題でもあります。
繁忙期の人手不足を放置するとどうなる?
「毎年なんとか乗り切っているから大丈夫」と考えていても、対策をしないままでいると、次のような影響が出るおそれがあります。
- 残業や休日出勤が増え、社員が疲弊して離職につながる
- 確認作業が手薄になり、入力ミスや発送ミスが起こりやすくなる
- 問い合わせへの対応が遅れ、お客さまの満足度が下がる
- 目の前の作業に追われ、営業や改善など本来取り組みたい仕事が後回しになる
また、残業で乗り切る方法には法律上の限度もあります。厚生労働省の「働き方改革特設サイト」によると、時間外労働(残業)の上限は原則として月45時間・年360時間とされ、中小企業には2020年4月から適用されています。臨時的な特別の事情がある場合の扱いなど、詳しい運用は社会保険労務士などの専門家に確認することをおすすめします。
繁忙期の人手不足対策|今から準備したい5つの方法
ここからは、繁忙期の人手不足対策として取り組みやすい5つの方法を紹介します。すべてを一度に行う必要はありません。自社の状況に合わせて、できるところから始めてみてください。
方法1:業務の量と時期を「見える化」する
最初に、どの業務がいつ、どのくらい増えるのかを把握します。過去の受注件数や出荷件数、問い合わせ件数、残業時間などを月ごとに振り返ると、忙しくなる時期と業務の傾向が見えてきます。
- 忙しくなる時期(月・週・曜日)
- 仕事量が増える業務(受注処理、発送、入力、電話対応など)
- その業務を担当している人と、手伝える人の有無
方法2:前倒し・後ろ倒しで業務を平準化する
繁忙期に集中している業務の中には、時期をずらせるものもあります。たとえば、資料やマニュアルの準備、備品の発注、データの整理などは閑散期のうちに済ませておけます。お客さまへの早期予約の案内なども、仕事の山をならす工夫の1つです。
方法3:社内で助け合える体制をつくる
特定の人に業務が偏っていると、繁忙期にほかの社員が手伝えません。作業手順を簡単な資料にまとめ、閑散期のうちに複数の社員が業務を経験しておくと、忙しい時期に応援を頼みやすくなります。
方法4:ITツールや業務アプリで作業を減らす
人を増やす前に、作業そのものを減らせないかも検討しましょう。紙やExcelへの転記、同じ内容の二重入力、電話での確認など、手作業が多い業務はITツールで効率化できる場合があります。自社の業務に合わせた仕組みが必要な場合は、業務効率化アプリの開発も選択肢になります。
方法5:外部の人材を活用する
社内の工夫だけで足りない場合は、外部の力を借りる方法があります。業務委託(アウトソーシング)や人材派遣、短期アルバイトなど、手段によって特徴が異なるため、次の章で比較します。
繁忙期に外部の人材を活用するときのポイント
外部の人材を活用する主な手段と、それぞれが向いているケースは次のとおりです。
| 手段 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 業務委託 | 受託した会社が業務を進め、スタッフへの指示や管理も行う | 業務の範囲を決めて任せたい |
| 人材派遣 | 派遣されたスタッフに自社が直接指示を出す | 社内で指示を出しながら進めたい |
| 短期アルバイト | 自社で採用し、雇用と教育も自社で行う | 採用と教育の手間をかけられる |
業務委託と派遣では、誰がスタッフに指示を出すかが大きく異なります。業務委託で依頼しているのに自社が直接指示を出すと「偽装請負」とみなされるおそれがあるため注意が必要です。詳しくは「業務委託と派遣の違いとは?中小企業が外注で失敗しない選び方」もあわせてご覧ください。
外部の人材を活用するときは、次の点も押さえておくとスムーズです。
- 早めに相談する:繁忙期の直前ではスタッフの手配や準備が間に合わないことがあります
- 任せる範囲を明確にする:どこまでを外部に任せ、どこからを社内で行うのかを決めておきます
- 手順やルールを共有する:作業手順や判断の基準を資料にしておくと、立ち上がりが早くなります
- 契約内容を確認する:業務の範囲や期間、情報の取り扱いなどを事前に確認します
繁忙期の前に確認したいチェックリスト
最後に、繁忙期を迎える前に確認しておきたい項目をまとめました。社内の打ち合わせなどで活用してください。
- 昨年の繁忙期に、どの業務でどのくらい人手が足りなかったかを振り返った
- 時期をずらせる業務を洗い出し、閑散期に前倒しした
- 主な業務の手順を資料にまとめ、複数の社員が対応できるようにした
- 手作業や二重入力など、ITツールで減らせる作業を確認した
- 外部に任せたい業務と、相談するタイミングを決めた
- 残業や休日出勤が法律や社内ルールの範囲内に収まるか確認した
まとめ:繁忙期の人手不足対策は早めの準備が鍵
繁忙期の人手不足対策のポイントを振り返ります。
- まずは業務の量と時期を見える化し、どこで人手が足りなくなるのかを把握する
- 前倒し・後ろ倒しや社内の応援体制で、仕事の山をならす
- ITツールや業務アプリで、作業そのものを減らす
- 足りない分は、業務委託などの外部の力を早めに検討する
株式会社FLCアドバンスのアウトソーシングサービスでは、当社と業務委託契約を締結し、当社で雇用したスタッフが委託業務を行います。スタッフの育成・管理も当社が一貫して担うため、繁忙期の人員確保や、採用・教育の負担を減らしたいときにご活用いただけます。どの業務を任せられるか分からない段階からでも、業務の整理を含めてご相談いただけます。
「繁忙期だけ人手を確保したい」「作業を効率化する方法を知りたい」とお考えの方は、まずはお問い合わせからお気軽にご相談ください。